Field of Ideas

ルービックキューブの日本大会で2度(2007年、2012年)チャンピオンになったことくらいがとりえの、社会の歯車によるブログ。

もしも突然Wikipediaに自分の記事が作られたら / 「郡司光貴」がWikipediaの1記事になったので読んでみた。

こんばんは。
ウマがだいすき郡司さんです。

ウマ娘のアニメ、第2期は非常に誠実に作られたアニメでしたね。
トウカイテイオーという、あまりにもドラマティックな競走馬生活を送った名馬の生き様を
人型の少女に置き換えても、その価値が目減りしなかった。
感銘を受けた私は、およそ8年ぶりに真剣に競馬を観戦するようになり、
しまいには先月朝から夕方までずっと東京競馬場にいた日があるほどです。

・・・それにしても、勝ち馬の予想って当たらねぇな

 

どうでもいい話はさておき。


主題に書いたとおり、「郡司光貴」という人名のWikipedia記事が
いつの間にか作られていたのだ。

郡司光貴 - Wikipedia

 

Wikipediaは「世界中のボランティア共同作業によって執筆されるフリーのインターネット百科事典」と定義されているWebサイトであり、
様々なジャンルの事柄について情報が集約されている。

そんなWikipediaの項目として出現した
「郡司光貴」とは一体何なのか。

 

筆者の本名である。

 

想像してほしい。
ある日googleエゴサーチした際に、自分の名前で記事が作られていたとしたら。
あなたは嬉しいだろうか?

はっきり言う。私の場合は、

心臓が止まるかと思った。

Wikipediaはそのサービス性質上、「匿名で」「アカウント持ちなら」「自由に」記事がかけてしまうという、
ある意味恐怖のメディアである。
どういうことかというと、断片的な情報を組み合わせることで
事実・実態と異なる情報を掲載できてしまうのだ。
もちろん記事を精査する方も複数人いらっしゃるのだが。


百科事典の体をなしているということもあってか、googleでなにかの言葉を検索したら
平気でWikipediaのページが上位にあがってくる。
それだけに注目度がそれなりに高いのだ。
したがって、実態と異なることが書いてあり、それが本人にとってまぁまぁ恥ずかしいものだったら、
あまりにも厳しいのである。

Wikipediaにはルールとして「自分の記事をつくらない」というものがある。

ja.wikipedia.org



これは記事の中立性を保つためだろう。
したがって、もしも自分の記事が作られたとしても、
そこに自分で自分の情報を書くことは、だいたいの場合において許されないのである。
だいたい自分でWikipediaに自分の記事を作る時点で
どれだけ自意識過剰なんだという話ではあるが、
今回はそこについて考えないことにする。

 

では、どうやって自分自身で記事を精査すればよいのか?

 

そのための・・・ブログ・・・
あとそのためのYouTubeチャンネル・・・

 

というわけで、いよいよ本題に入る。
「郡司光貴」のWikipedia記事を、本人が読んだらどうなるのか。

(以下、思いの外長編となってしまったため、区切りとする)
(性質上、自分語りの要素が強く、不快に思われる方もいらっしゃると思われます
「だめだ」と思ったらすぐさま記事を閉じることをおすすめいたします)

 

※記事は2021年1月31日の最終更新版をもとにしている。


郡司 光貴(ぐんじ みつき、1992年1月29日 - )は日本ルービックキューブ愛好者(スピードキューバー)、

 

この郡司光貴が筆者のことを指しているのであれば、
この情報は正しい。
生年月日はYouTubeチャンネルに記載しているし、
ルービックキューブ愛好者と言われたら「まぁそうなのかな」と思う。
ルービックキューブを愛好していなかったら
16年もスピードキューブやってない。

 

で、

 

で?

 

ブレインスポーツアカデミー(BSA)でコーチを務めている[1]

 

ブレインスポーツアカデミー様といえば、メモリースポーツを中心に、
マインドスポーツの教育を行うスポーツクラブである。

brainsportsacademy.net



筆者はキューブの配列を暗記するだけで3分かかるほどのよわよわ記憶力なので、
モリースポーツのアスリートについては、ただただ凄いと思うほかない。

そんなBSA様において、私はコーチという扱いとなっているのだが……

郡司光貴は現在
ブレインスポーツアカデミー様でコーチの活動を
実施しておりません。


BSA様には複数名キューバーが在籍しており、その方々がルービックキューブコースを担当されているらしいのであるが、詳細は筆者にはわかりかねてしまう。

スピードキューブではないが、私はルービックキューブを初めて解く人向けのレクチャーを経験したことはあり、
もしも不定期でも開催する機会をいただけるなら、企画を立てて行いたい意欲はある。
私は現在スピードキューブと関連のない会社で勤務していることもあり、
なかなか企画する余裕がない今日このごろであるが、機会があればぜひチャレンジしてみたいと考えている。

「郡司キュービングアカデミー」の開講を楽しみにしていただければ幸いである。

 

ちなみに出典リンクをクリックすると、
きっちり「BSAマガジンのトップページ」に遷移する。
リンク切れとして指摘が可能なので、これを読んでいるウィキペディアンは
ぜひ修正していただきたい(?)。

また、ブレインスポーツアカデミー様のYouTubeチャンネルがあり、
そこで数本スピードキューバー郡司が出演している動画が配信されている。
興味があったら是非ともご視聴いただきたい。
皆様の1再生があつまれば大きな力になります!!

www.youtube.com

※戒めとしてスピードキューバーとして痛恨のミスを犯してしまった郡司の動画を掲載する

 

話をWikipediaの記事に戻そう。


YouTubeにチャンネルを開設し「スピードキューバーGunji」として解説動画などを制作・投稿している。

 

これは正しい。
YouTubeチャンネル「スピードキューバーGunji」は、たしかに筆者が作成しているチャンネルである。

ただし、「スピードキューバーGunji」はチャンネル登録者数1000人台・動画投稿頻度月2本程度(今もっと落ちてる)一般人が開いているチャンネルなのだが、
そんなのをWikipediaに書いたままにして良いのだろうか。
・・・私が敬愛するあまたの専業YouTuberの顔がよぎる。
彼らはWikipediaに記事が作られていない。
申し訳無さすぎる。

 

ルービックキューブ以外にも日本記録、アジア記録を持っていた。

 

ルービックキューブ以外」とはなにのことを指すのだろうか?
ここで「ルービックキューブ」に関する定義が曖昧なことに気がつく。
立方体のパズルのことだったら、私が取り組んでいる競技のこと全般であるし、
私はこれ以外で日本記録を持った記憶がない・・・

 

ああ、わかった。

ルービッククロックだ!

 

www.youtube.com

(当時15歳の筆者が撮影した、ルービッククロックの速解き動画である。
 計測にスタックタイマーV1を使用している。マットがきたない

と、このようにキューバーにとってはどうとでも取れてしまうように思われるのだが、
これはただの揚げ足取りのように感じてきた。

茨城県出身。

 

これは正しい。生まれも育ちも茨城。大学を卒業してからは茨城県外に出てしまった。
どこに住んでいるかは教えない。

2005年の夏にルービックキューブを購入。

 

これも正しい。YouTubeチャンネルのチャンネル概要欄にも記載している。
私はこのタイミングでルービックキューブを購入し、スピードキューブ沼にはまることとなった。
ちなみに同世代のキューバーでこの頃にキューブを手に取った人が少なからずいらっしゃるのだが、
私を含めて、そういった方々にはある一つの共通点があった。

日本テレビ製作「唐沢寿明presents 記憶のチカラII」を視聴したことだ。

もはやググっても詳細が出てこない状態なのだが、
私の記憶が確かならば、2005年6月頃に放送されたドキュメンタリー番組である。


この番組で当時の常識からは考えられない映像が放送されていたのだ。

ルービックキューブを12秒くらいで解いてしまう男」
ルービックキューブの配列を覚えたあと、目隠しをして解く男」

アメリカ在住の日本人で、私自身と2歳ほどしか歳がかわらない少年だった。
もちろん当時世界一のキューバーだ。圧倒的な実力を持った人だった。
私は当時テレビでこの番組を視聴し、あまりにも衝撃を受けた。

そういうわけで、夏(8月と記憶している)に文具店でルービックキューブを見かけたときには
あの番組の凄まじさが脳裏に思い浮かび、すぐさま両親に購入をせがんだものだった。

2007年、土浦日本大学高等学校1年の時に

 

なんでわたしの出身高校知っているんだよ。
と思って出典を確認したところ、
2008年に公開された、確かに受けたような覚えがある取材をもとにした記事だった。
13年前のネットニュースが、こうして未だに残り続けている。

 

これがデジタルタトゥーというやつか。
このブログもそのようなものなのだけど。

世界ルービックキューブ選手権大会に出場しルービックキューブ部門で3位、ルービッククロック部門で2位と入賞した[2][3]

これも正しい。

そういえば、世界大会に出場する経緯について
ネット上のどこにも残っていないと思うので、
記憶に残っている限りでご説明したいと思う。

2007年、私はルービックキューブ日本大会で3x3x3部門に出場し、
見事、最終ラウンドで1位のタイムを記録。晴れて日本一のスピードキューバーとなった。
これを受けて、副賞として ルービックキューブの販売権利を持つ会社
株式会社メガハウス様より「世界大会への参加をサポートする」権利を頂いたのだ。

 

世界大会2007へ出場した時の思い出も機会があれば書きたいのだが、いかんせん私は当時の記録を爆散させてしまったので、記憶を頼りに自分で書こうにもまとまらないのである。
開催日が何月何日かすら覚えていない
悲しい。こうして記録というものは無くなっていくのか・・・。

ちなみに当時他の海外キューバーが他ブランドやRubik's純正のDIYキューブなどを使用している中、
私と中島選手はメガハウスがリリースしている普通のルービックキューブで戦ったことを
ここに明記しておきたい。

 

2014年、アジアルービックキューブ選手権大会ルービックキューブ部門では3位になった[4][5]

これも正しい。1位が現日本記録保持者の須鎌星選手、2位が今や韓国を代表するスピードキューバーとなったNahm Seung-Hyuk選手、
その次になんか昔世界大会に出たことがあるらしい男 が入賞したということで、
今なお少し不思議な感覚でいる。

 

2015年、中国の頭脳競技の番組「最強大脳」に日本代表の1人として出演した[6]

これはかつてこのブログでも記事にしているので
そちらを参照いただけると幸いである。

m-gunji.hatenablog.com

中国に暮らしていた知人によると、どうやら現在でもこの「最強大脳」に出演したことは
現地でかなり大きなことだったらしく、
いまでも中国やベトナムで「最強大脳の郡司」といえば、筆者を思い出していただけるらしい。


ただ1度のテレビ番組出演でここまで影響力があるのか。
たしかにFacebook見知らぬベトナム人のフレンドリクエスが大量に来ていたのを今でも覚えている。
色々な意味でいい経験をした。

 

あとはWCA大会での記録の羅列なのだが、
これはWCAのページを観たほうがいいぞとしか言えない。

Mitsuki Gunji (郡司光貴) | World Cube Association

リンクはTwitter
あとなぜかこのブログだった。なぜ?

--------------------------------------------------------------------

というわけで、一部を除いてだいたい合ってた。
報道などの二次ソースを集めれば、どうやらこのような記事が出来上がるらしい。


しかしながら、私個人としては、この記事が手放しで喜ぶことはできない。

私は現在

ルービックキューブを人よりちょっと早く揃えられるだけの成人男性・サラリーマン」

であり、こう表現すればその辺にいそうな人間である。
もっと他にもWikipediaの記事にすべきであろう優れた業績を残した人間はいると思う。

 

そんな今や普通の人間(自称)である私について、Wikipediaの記事にするほどの、
それも1年以上も項目として残り続ける理由は何なのか?

 

Wikipediaには記事の収録基準として
「特筆性」のページにガイドラインをまとめている。

 

ja.wikipedia.org

 
そこの「スポーツ選手」の項目に、このように記載されていた。

 

 

・・・。

そういうことなの?

私にはわからない。

 

ちなみに一時期趣味で行っていた活動のことを、あたかも
Wikipediaに特記すべきメジャーな案件かのように記載されていた時期があり、
「恥ずかしいからやめてくれ!!」と思っていた。
全然報道などにも掲載されていない活動で、当時私のキューバー活動と紐付けていなかったので、勘弁してほしいとさえ感じた。
すぐに消去されていたのだが。

 

 

おそらく今後、熱心なウィキペディアンが「この記事はふさわしくない」と判断するまでは
この「郡司光貴」の記事は残り続けてしまうだろう。
わたしは「うっかり過去の実績でWikipediaに記事が作られてしまった人間」として、ずっと生きていくことになる。

 

今の私には、「Wikipediaの記事になっている人間」として耐えられるほどの自信が足りていないのだろう。
しかし、過去なし得たことはそう消えないし、書いてあることは別に悪いことでもないのかもしれない。
自信についてはこれから付けていけばいいのかもしれない。

これからも胸を張って、こう言えるようになっていきたい。

 

俺は郡司光貴。キューバーだ!

 

 

f:id:M_Gunji:20211211004853p:plain



…いや、すくなくとも今後しばらくは
でしゃばること無く、つつましく生きていきたい
今の私には荷が重すぎる