Field of Ideas

ルービックキューブの日本大会で2度(2007年、2012年)チャンピオンになったことくらいがとりえの、社会の歯車によるブログ。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を観た。/ -エヴァンゲリオンと私-

こんにちは。
映画レビュアーのGunjiです!!

 

・・・存在しない企画はいいとして、
今回は「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を視聴してきたので、
それに関するブログを書きたい。
ウマ」と「マッスルグリル」とは外れたテーマであるが、
どうしても映画を観たあとの思いを文章として残したいのだ。

??「お前キューバーなんだろ、なんでブログでキューブのこと書かないんだよ

 

今回の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(以下、基本的に「シン・エヴァ」と表記する)のテーマは、映画のキャッチコピーにもある通り、
さらば、全てのエヴァンゲリオン
すなわち、エヴァンゲリオン完結である。

私より少し上の世代の人々が、そのあまりの衝撃的な内容に熱中したという、
伝説のTVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の劇場版作品だ。

 

私はさすがにTVシリーズ時の記憶はないが、
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」を当時リアルタイムで友人と視聴している。
これはエヴァンゲリオンTV公開後10年の時を経て制作された、TV版の……
リブート?……リメイク?
・・・・・・とにかく、新作であった。


エヴァンゲリオンってなんだか不思議な作品だなと思ったし、
その神秘性がファンの心を掴んで離さなかったのだろうなと感じていた。

「破」は劇場公開時に見逃してしまったが、あとで地上波放送時に視聴し、
「いいものを観た」という感想を抱いた。

基本的にエヴァンゲリオンについては、「90年代に放送していた熱いロボットアニメ」というかたちで好印象を抱いていた。
・・・・・・あの映画を観るまでは。


あの映画の話は避けて通れないと思うので、
「シン・エヴァ」の話をする前に、少し時間を巻き戻したい。

 

時に、西暦2012年。
(フォントをあのマティスEBに脳内変換してほしい!!)

 

(長くなりそうなので区切ります)

 

当時20歳だった青年郡司は、釈然としない思いを抱いていた。

 

「名作のほまれ高いアニメの最新作ということで観たけど、
 なんかパッとしない内容だなあ」

 

視聴したアニメのタイトルは「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 」。
前作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」がなかなかに激アツ展開の作劇で
非常に楽しめたこともあって、
それなりの期待を込めて観た。

 

まさかいきなり前作の14年後に飛ばされるとは思わなかった。
おなじみの登場人物の様子が違う。
わけの分からぬままに話が進んでいく。

…観終えたあと、一緒に映画館で視聴した妹とともに
「なんだったんだ、これは?」という思いを抱えて家に帰ったものだった。
カヲルくんは最高にかっこいいのだが。

 

後でエヴァンゲリオンのことについて軽く調べたところ、
旧劇場版について、TVアニメのファンの予想を「大幅に裏切る」内容の、
陰惨なイメージすら覚えるものだったという知見を得た。

 

どうやらエヴァンゲリオンの作者は
視聴者の予想を裏切る」のが得意なようであるが、
やりすぎてしまう」性質でもあるようだ。
Qを視聴して以来、私はエヴァンゲリオンについて上記の気持ちを抱いた。

 

そんな訳で、2020年にようやく新作公開の予定が発表された際にも
私は割と消極的な態度を取っていた。

 

「またわけのわからないものを観せられたらいやだなあ」

 

一旦は、視聴したファンの皆様の意見を参考に
視聴するか否かを決めようと思った。
私は「序」を友人と視聴してからエヴァンゲリオンを追いかけた身であり、
作品に対する強い思い入れはさほど無いと自認している。


私よりもエヴァについて思い入れがある人が、
「シン・エヴァ」を観たらどう思うのか。
それをまずは情報として仕入れてから、覚悟を決めたかった。

ところが。
いざ、2021年3月8日の封切りを迎え、
ネット上でそれなりに感想が流れてくるのだろうなあと思っていたら・・・

 

思った以上に何も出てこない。

 

何だこの静けさは。

 

「観た」という声はある。だが、「観てどうだったか」が無い。
エヴァンゲリオンは終わったんだ」という声はちらほら見かけた。
でもそんなの、映画のキャッチコピーじゃないか。

こわい。
「シン・エヴァ」で、何を観せられてしまったのだ。

 

・・・そんな訳で、私は「シン・エヴァ」を観なくてはならないのだろうと、
決意を固めていったのだった。
何を観せられても、「ああそうだったのね」で終わらせることができれば、
エヴァを観て楽しかった」と言えるのではないだろうか。
そう思うと少しずつ、映画を勇気が湧いてきた。

 

公開から2週間がたった今、まさに本日、
私は最寄りの映画館で「シン・エヴァ」のチケットを購入し、
視聴に至ったのであった。

2時間半ほどの上映時間を経て、私は映画館を出た。
最初に思ったのはこれだ。

 

「疲れた!!!!」

 

長い!!!
長いのじゃ!!!!
1話30分のアニメを観る体力も最近なくなってきていて、
今季モルカーしか視聴できていない男に、
2時間35分は、長かった!!!
途中で休憩時間がほしかった!!!(昔の映画にはありましたね)

 

それはともかく。
作品の内容については、ざっくりとこのような印象を抱いた。

 

「過去と決別し、自分の人生を生きていく。」

 

どういうことなのかは実際に映画を見て感じてほしい。
詳しくは書かない。ネタバレに気を使っているのではない。
細かいシーンなんて忘れているからだ(だめじゃん)。


全体的に、過去の因縁にけじめを付ける話だったように思われた。
作中に登場人物が家族や仲間に対する気持ちを言葉にするシーンがよく見受けられたのだが、
それは「自分はどうしていきたいのか」を定義するために必要なことだったのだと私は感じる。

そしてこの「過去との決別」は、
2クールのTV番組から始まった「エヴァンゲリオン」シリーズからの決別とも感じた。
作中で示されたエヴァンゲリオン(シンジやレイが乗っているロボの方)の運命を考えると、
そう思わざるを得ないのである。

 

「そうか、エヴァンゲリオンはこうして終わらせたのだな」

先程私は、エヴァンゲリオンの作者について
視聴者の予想を裏切る」のが得意なようであるが、
やりすぎてしまう」性質でもあると定義した。
今回も話の内容として、「予想を裏切ってきた」し、
内容は「やりすぎ」だった。
しかしながら、今回の裏切り方はどちらかというと爽やかな印象を受けた。
まるで作者自身が「エヴァンゲリオンの呪縛から解けた」かのようにさえ感じた。

 

なぜか、を掘り下げたいところだが、私は細かいシーンを覚えていないのだ
無理じゃ。
他のブロガーやライター、インフルエンサーがその辺りを熱く濃く書いていらっしゃるだろうから、しばらくは様々な考察記事を読むことで、
自分の中での「シン・エヴァ観」を固めていきたい。
(学部生の卒論の締めみたいだな)

 

アニメーション映画としての品質は非常に高いものだった。
国内外あまたのアニメ制作会社が手掛けたド迫力の映像。
相変わらず最高なサウンドトラック。
情報過多すぎるストーリー(一発で理解できないのは情報量が多すぎるからだ!!)。
どれをとっても、映画館で観るには十分にエキサイティングだった。
時折演出の意図なのか、それとも制作会社が力尽きたのか
判断に苦しむシーンがあり、少し困惑してしまった(十中八九前者だろう)。
それでも、わからないことが気持ちいい。すごいものを観たという気持ちでいた。


最後宇多田ヒカルによる主題歌を聞きながら、
私は清々しい気持ちを覚えた。
家に帰った今、私はpixivでマリやアスカ、レイのファンアートを検索し
映画の印象が新鮮なままに目の保養をしている。
エヴァのヒロイン達ってなんであんなにセクシーなんだろうね。カヲルくんも。

 

全体的に「シン・エヴァ」は観ていて楽しかった。
エヴァンゲリオンシリーズのファンにとっては、きっと最高の作品だったのではないだろうか。
もしかしたら終盤の展開に「そうなるのかよ・・・」と思ってしまうファンもいらっしゃるかもしれないが、
私としては「それも含めて、新しいエヴァンゲリオンの終わりということなんだろう」と思う。


私が「Q」を視聴したあとに危惧していた「よくわからないものを観せられる」ことは、杞憂に終わった。
それと同時に、私の中のエヴァンゲリオンにもひとつの終止符が打たれ、
「新しい自分の人生を生きていこう」という気持ちにさえなったのだ。


最後に、この映画を観ていないけど
観ようか迷っているひとがいらっしゃったら、
私は一言でこう伝えたい。

 

「シン・エヴァ、楽しめたよ!観てみ!!」