Field of Ideas

ルービックキューブの日本大会で2度(2007年、2012年)チャンピオンになったことくらいがとりえの、社会の歯車によるブログ。

今のプログレッシブ・ロックは、本当に"プログレッシブ"なのか

6日ぶりの更新である。「毎日更新」という目標はどこへ行ったのやら。

 

プログレッシブ・ロック

このことばにときめく人々は少なく無いだろう。

全く知らない人のために簡潔に説明すると、

プログレッシブ・ロック(略してプログレ)とは1970年初頭に勃興した音楽ジャンルのひとつであり、

それまでのシンプルなロックンロールにクラシックやジャズの要素、新しい楽器(特にシンセサイザー)を取り入れ、

美しく複雑なサウンドを目指したロックのことである。

1970年頃に発表された一連のプログレは、今なお根強いファンが少なく無いのだ。

私もプログレの名盤をいくつか持っており、通学のときに聞いたりしているのだ。

 

ところが、このプログレッシブ・ロックは今や「先進的を」サウンドを持ったロックということを意味するものではなくなってきたのではないかと思うのだ。

 

 

かつてキング・クリムゾンでギターを演奏し、作曲面でもイニシアティブを持っていたロバート・フリップは、

自分の曲が「プログレッシブ・ロック」と呼称されるのを嫌っているそうだ。

キング・クリムゾンと言えば、あのインパクトの強いジャケットで有名な「クリムゾン・キングの宮殿」でビートルズをチャート1位から引き摺り下ろしたという伝説を持つ、

プログレッシブ・ロックの草分け的存在である。

クリムゾン・キングの宮殿 (ファイナル・ヴァージョン)(紙ジャケット仕様)

クリムゾン・キングの宮殿 (ファイナル・ヴァージョン)(紙ジャケット仕様)

 

なぜ、フリップはプログレと呼ばれる事を嫌っているのか。

正確な理由は分からない。以下に書かれていることは、私の推測である。

もしかしたら誤謬や勘違いや「バーカ!」と思う事もあるかもしれないので、

異論などは

 

そもそも「プログレッシブ・ロック」は自らが自称した訳ではなく、1970年当時の大きくなりつつあった音楽産業の元生まれた呼び名であるそうだ。

 

キング・クリムゾン以外のバンドを挙げるとすると、

まずサイケデリックなロックを経て精神性を高めていったピンク・フロイド

狂気

狂気

 

それぞれが違うバンドで頭角を表した末、ギター抜きのロックを実現したエマーソン・レイク・アンド・パーマー。

Tarkus

Tarkus

 

そして、力強いボーカルと様々なスタイルで演奏できるギター&キーボードが融合したイエス。

Close to the Edge

Close to the Edge

 

上記4バンド以外にも、ジェネシスというバンドを含めて「5大プログレバンド」と呼ばれることがある。

Foxtrot

Foxtrot

 

(ここに掲載されているアルバムは、プログレを語るなら必聴のアルバムです。よかったら聞いてみてください)

 

これらのバンドはほぼ同時期に全盛期を迎えた。

フォロワーも数多く生まれ、プログレッシブ・ロックは栄華を極めたかのように思えた。

ところが、1975年を過ぎた頃からだろうか。

キング・クリムゾンは活動を停止し、ELPは明らかに低迷、YESは主要メンバーの脱退を繰り返し、

ピンク・フロイドも売り上げこそ落ちなかったものの、メンバー内での不和が発生した。

このようなことはどこの音楽業界でもあり得ることなのだが、なによりほぼ同時期にプログレのオリジネイターが衰退したというのが大きかった。

この時、プログレは歩みを止めたのである。私はそう思うのだ。

 

今や、ロックバンドが6分以上の大作を作ることや、変拍子を取り入れたり、クラシックの要素を取り入れたりすることは珍しくなくなった。

現代において、本当の意味で「プログレ」と呼べるバンドは少ないのではないかと思うのだ。

もちろん現代でも、プログレらしいサウンドのバンドはある。しかし、それらのバンドの殆どは上記5バンドのいずれか(特にELP風が顕著だと思う)の模倣で終わっているのだ。

その意味では「先進的」ではなく、むしろ懐古主義的なのである。

 

今のプログレッシブ・ロックは、本当にプログレッシブなのか?

おそらくロバート・フリップなら、この質問にイエス(だじゃれじゃないよ)とは答えないだろう。

彼の中でプログレとはその名に反して歩みを止めた音楽ジャンルなのであり、彼はプログレから逸脱した新しい音楽を作る事を心がけているのだ。

だからこそ今の彼は、自分の曲を「プログレッシブ・ロック」と分類されたくないのではないかと、私は思うのだ。

 

 

 

......ここまで書いて思った。

これじゃあまるで、オレが「プログレ原理主義者」みたいじゃねえか。

「5大バンド以外はプログレとは認めん!」みたいな。

 

ならば、プログレの意味を広げよう。

なにせ、「変拍子」もあって「クラシックの要素」を取り入れてて、「精神性が深い」バンドなら、私も決して嫌いというわけではないからである。

たとえばALI PROJECTは上記の意味では十二分にプログレなのであるが、wikipediaプログレッシブ・ロックの欄には乗ってない。

どうやら書かれても消されるらしいのだ。

(まったく関係ないけれど、いつか、ALI PROJECTのこともブログに書きたいなぁ。アリプロは僕の大好きな音楽グループの一つなのです)

 

と言うより、上記の意味のプログレなら、そう呼ばれてもおかしくは無いバンドが一つあるではないか。

それも、私がブログにて散々書いてきたあのバンド......そう、

 

 

R h a p s o d y

 

 


Rhapsody - The Mighty Ride of the Firelord - YouTube

 

 

「メタルはプログレとは別だろ!」

 

 

えーー。

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