HARDCORE TECHNOに、近未来を見る。/「THE DAY OF HARDCORE 2013」に行ってきた
ごきげんよう。
いやはや、もう8月も半ばか。すっかりブログを放置してしまった。
最後の記事から実に1ヶ月以上の間隔を開けてしまったのだ。
「次の記事はいつかなー」と期待していた人がいるかどうかは分からないが、その人たちにお詫び申し上げます。更新遅れて申し訳ございませんでした......。
さて。この1ヶ月間私はなにをしていたかと言うと、大学も一段落付き、夏休みに入って以来、ほぼ毎日何らかしらの音楽を聞いていたのである。
私の音楽好きは知っている人なら知っているだろうけれど、登下校中も何らかの音楽を聞き、家でも何かを聞く程好きなのである。
その「好き」が高じて、高校生の頃から自分でも曲を作っているのだが、それはまた別のお話。
そんな私は基本どのようなジャンルの音楽も聞くのだが、特にダンスミュージック系のテクノが大好きなのだ。
中でも、「ハードコアテクノ」というジャンルが、僕の琴線に触れるのだ。
早いBPMで、割れるくらい音量を上げて歪ませたキック(バスドラム)を鳴らす。
これがハードコアテクノの基本である。
よく「低音が響くと気持ちいい」と言う人がいるが、その低音をフルにブーストさせた、いわば究極のダンスミュージックなのである(言い過ぎ)。
僕のような暴力的なサウンド(私はモーツァルトやビル・エヴァンスのような繊細なサウンドも好きだが)を好む人なら、はまること間違い無しだ。
たとえば、この曲はとても有名であろう。イギリスのハードコアテクノにおけるアンセムだ。
Scott Brown - Elysium Plus - YouTube
ところが、今までの私はもっぱらハードコアテクノを家で聞いていた。
今までハードコアテクノをかけるイベントに参加したことが無かったのである。
ゆえに、「これをクラブで聞いたらどうなってしまうんだろう。ほぼイキかけるどころかイッてしまうんじゃないだろうか」と、妄想猛々しくわくわくしていたのである。
そんな私のハードコアテクノイベントの初体験は、今年8月4日に開催された「THE DAY OF HARDCORE 2013」だった。
8月5日が「ハードコアの日(ハードコア→ハーコー→8・5 ということらしい)」ということで、入場無料。ハードコアテクノ愛好者にとって、この上ないイベントである。
このイベントがどうだったかと言うと......ほぼイキかけるくらい楽しかったのだ。
僕はこのTHE DAY OF HARDCORE(以下、TDOHと略する)に頭から参加していた。
上のブレークスペースと下のフロアで別のDJがプレイするというもので、僕は専ら下のフロアで踊り明かしていた。
ハイテンションナンバーの連続で、空調がかかってるにもかかわらず異常な熱気。
ただでさえ体力の無い(持久走大会はいつもケツの方だった)私はイキかけたどころか死にかけたのだが、
それでも短時間の休憩をはさんで、見事に最後のDJまで滞在しつづけることに成功したのである。
以下、各々のDJの感想である。「みんな良かった」のだが、その中でも特に印象に残った人を書いていきたい。
1:電撃姫vs204
女性DJの電撃姫と、男性DJ204(にわし)さんの、共同DJプレイである(だからと言って邪推しないよーに)。
私は待機列の都合で途中からの参戦だったため、最初になにをかけていたのかは分からなかったが、
入るといきなりTRF「survival dAnce」のハードコアリミックスがかかっており、ぶったまげたものである。
「survival dAnce」は私のインタビューズにも書いた通り、私の記憶の中で一番古い曲である。
そんな思い入れのある曲が最初にかかるなんて、もうたまらないのである。
YEH YEH YEH YEH YEH! WOW WOW WOW WOW WOW!なのである。
その後もJ-POPの名ナンバーをハードコアリミックスしたナンバーが続き、テンションが上がったものである。
2:DJ Genki
若手のDJである。
DJとして活動する前は家庭用beatmaniaIIDXの凄腕プレイヤーとして有名であり、あの穴冥をフルコンボした最初の人なのである。たぶん。
私もbeatmaniaIIDXをよくプレイしているので、この人が今トラックメイカー及びDJとして活動していると知ったときは非常に驚いたものだった。
そんな氏のかけるナンバーは、どれもポップで、キャッチーで、それでいて低音ドスドス系。
なにより、ももいろクローバーのキラーチューン「走れ!」のDJ HKTリミックスが一番盛り上がったのではないだろうか。
とても気持ちがよかった。
プレイ後、氏と握手することが出来たのがいまでも記憶に深く残っている。またどこかでお会いしたいものです。
3:DJ DEPATH&M-Project
スペイン発祥のハードコアテクノ「マキナ」を日本に広めたDJ二人のプレイである。
ハードコアテクノにおける大御所のような人であるから、いったいどんな曲をかけるんだろーとwktkしていたら、驚くべきことが起きたのだ。
ステージガールが壇上に上がったのである。
これがまた、ねえ......肌の露出度が高かったんです。80%は裸。
こんなのが前に出てきて、それで大音量でハードコアテクノがかかってごらんなさい。
テンション上がらないわけないでしょ!!
というわけで、すっげー熱気につつまれていたのを覚えている。
私は曲よりステージガールが気になって仕方が無かったが。あの人、おなかがもちもちしてそうだったなあ〜〜〜。
4:SHARPNEL.NET
DJ SHARPNELとVJ Lemmyの共同プレイである。
さて、DJ SHARPNELと聞いてピンと来た人はいるだろうか。いたら間違いなく私と友達になれるだろう。
この人の作る曲の特徴に、アニメソングやPCゲームソングをハードコアにリミックスするというものがある。いわゆる「ナードコア(おたくという意味の英単語NERD+ハードコア)」だ。
日本アニメの愛好家であり(「ふしぎの海のナディア」が好きらしい)、それを元にして大音量でかけて踊るための曲を作り、それをDJとしてかけるのだ。
僕もアニメは嫌いじゃない。それどころか、女性声優の声を聞くだけでちょっとテンションが上がるのである。
曲やアニメの内容は知らずとも、ついつい盛り上がってしまったのだ。
アニメファンなら絶対、SHARPNELサウンドを気に入るはずだ。
5:m1dy
この「THE DAY OF HARDCORE」出演者の中で一番気になっていたのが、このm1dyさんである。
私は高校生の頃にニコニコ動画で偶然氏の曲と出会い、そのあまりにも暴力的なサウンドの虜になってしまったのだ。
なにしろこの人の作る曲は、どれもテンポが速い。BPM(1分間に鳴る四分音符の数)はどれも400オーバー。
本能の赴くがままに作られたと思しき、パワーのある曲揃いなのである。
そんなm1dyさんのライブは一体どんな感じなのだろうかと、私は胸を高鳴らせてTDOHに行ったのだ。
DJ CHUCKYのプレイが終わった後(こちらも素晴らしいものだった)、ステージ上にm1dyさんが登場。
しかしながら、曲の再生はCHUCKYさんが担当したまま。
あれ、m1dyさんはDJをやらないのか。じゃあなにをするのだろうと思ってみてみたら......
マイクを持って、扇子を扇ぎ、腕を振って、客を煽る。
m1dyは曲だけでなく、ライブも完全に本能の赴くがままだったのである!
そして曲が始まるやいなや、客のスペースに異変が生じた。
なんと、後ろに待機していたAKIRADEATH(TDOHでもプレイしていた、DJアキラとMCアキラの2人組。MCアキラが巨体なことで有名)などが客を押し込み、モッシュを作っていたのである!
前列の方にいた私はこの勢いに巻き込まれ、押しつぶされそうになったのである。
だが、m1dyのハイテンションナンバーはオーディエンスの本能を刺激し続ける。
絶叫の巻き起こる狂気的な15分間だった。
念願だったm1dyライブに参加できた私は、しばらく感動していたものだった。
これがあのm1dyさんのライブなんだ、と。
ちなみにその時の映像がYouTubeにアップロードされている。
この狂気的なステージを、映像だけでも体感して欲しい。
私はいまでもこの映像を観ると、当時の記憶がフラッシュバックし、一人で勝手に盛り上がってしまうのであるw
特に最後のm1dy代表曲Speedcore Dandyの盛り上がりはヤバい。ヤバいと言いたくなるくらいヤバい。スピーコーダンディ!!!
(でも嫌いな人にはただのノイズにしか聞こえないんだろうなぁとも思ってしまう......)
他にも、海外から来たDJのShoujo、Skoza、3R2などのプレイはかっこ良かったし、
実力派のMyosukeさん、ベテランのDJ CHUCKYさんはとてもポップで良かった。
大御所のAKIRADEATH、DJ SHIMAMURAさんのプレイはヘトヘトだったのもあって断片しか観れなかったが、他のDJとは違う個性を発揮していた。
「これがDJプレイか!」と感動を覚えたものである。
帰り際にDJ CHUCKYさんに挨拶したら握手してくださったのも、また印象的でした。
行ってよかった。
本当に行って良かった。
間違いなく「THE DAY OF HARDCORE 2013」は一人の田舎から上京してきた学生の意識を変えたのだ。
クラブはいいものだ。大音量で聞くハードコアテクノは、いいものだ。
クラブといえば、昔はディスコだったり、ハウステクノだったり、トランスのような音楽がかかっていた。
それらは現れた当時、大変新鮮なサウンドに聞こえただろう。
そして今、そのクラブサウンドのひとつとして、ハードコアテクノが生まれ、今なお進歩している。
ディスコサウンド全盛期には、このような音楽が生まれるとは想像だにしなかったであろう。
「未来の音楽」というものは色々想像されてきたと思うのだが、現代においてはこのハードコアテクノが「未来からやってきた音楽」に相応しいのではないかと思う。
私はTDOHに行った結果、このハードコアテクノに対して、近未来的なイメージを強くしたものだった。
僕もいずれはオーディエンスというだけでなく、トラックメイカーとして、そしてDJとして、ハードコアテクノと関わっていきたい。そう思っている。
「え、お前が?」
「お兄ちゃんにはDJなんて無理よ!ムリムリムリムリかたつむりよ!」
「そんなことはいいから大学の勉強でもしてろ!」
むー、意識が高まってる人間に対してそんなこと言うなー!(?)
TO BE CONTINUED...