Field of Ideas

ルービックキューブの日本大会で2度(2007年、2012年)チャンピオンになったことだけが自慢の現役文系大学生によるブログ。

イタリアのメタルバンドRhapsodyが紡いだ物語 -第二章 Symphony of the Enchanted Lands-

イタリアのメタルバンドRhapsodyが紡いだ「Emerald Sword Saga」。

今回の記事ではその第二章にあたる「Symphony of the Enchanted Lands」について語ろう。

みんな、待ってたかい?

 

 

「待ってねーよ!オレたちはそんなのよりお前のキューブの話が読みたいんだよ!」

 

えー。今キューブネタが枯渇しているので、ちょっとそこはご了承を。

 

シンフォニー・オブ・エンチャンテッド・ランズ

シンフォニー・オブ・エンチャンテッド・ランズ

 

さて、「Symphony of the Enchanted Lands」。日本語で言う所の、「魔法の国々の交響曲」。まァ、そのまんまである。

アルバムは前作に比べて、サウンドがよりシンフォニックになっている。

前作はどちらかと言うとハロウィンの「守護神伝」みたいなパワー・メタルの要素が強かったが、

今作はよりオペラティックで複雑なアレンジになっている。

ラプソディーの作品はその映画音楽的な作風から「ハリウッド・メタル」と呼ばれているのだが、

このアルバムはまさにその「ハリウッド・メタル」を体現した作品に仕上がっているのだ。

 

それでは、各々の曲解説に入ろう。

と、その前に簡単な捕捉を。

このラプソディーのアルバムにはブックレットが付いており、

そこにはなんと物語の捕捉と、詞の世界の地図が掲載されている。

まるでRPGをプレイしている気分である。

興味のある人はぜひともCDを購入して、Rhapsodyの(っていうか、コンセプトを考えたギタリスト、ルカ・トゥリッリの)織りなす中二的な世界に浸ってみてはいかがであろうか。

 

さて、その物語の捕捉をする文によると、

どうやら氷の戦士は無事に2つの鍵を探し出し、残るはあと一つの鍵となったのである。

そしてその3つの鍵が揃うとき......門が開いて、最強の剣「翠玉の剣(エメラルド・ソード)」を手に入れることが出来るのだ。

 

1:「Epicus Furor」

前作同様、クラシカルなアレンジによるラテン語歌詞のプロローグである。

タイトルを英語に訳すると「Epic Fury」。「叙事詩的な怒り」。いったいどんなスケールのでかい怒りなのだろうか!(笑)

悪事が人民に対して恐れを成し、精神を圧迫する......この状況を打破するには、強力な力が必要だ。そう...

 

2:「Emerald Sword」

このために氷の戦士は山を越え、鍵を探してきた。そして日が龍の目を照らすそのとき、遂に彼は第三の鍵を見つけたのだ!

王よ!国よ!山よ!龍が飛び交う緑の谷よ!

暗黒王に打ち勝つ栄光の力を得るために、氷の戦士は「翠玉の剣」(エメラルドソードと書いてもよかったんだけど、ま、多少はね)を探す!

以下、どんな曲なのかは以前の記事に書いたので、そちらをよろしく。

ロディックなメタルが好きじゃないメタラーにも人気の超名曲。一聞の価値あり!

 

3:「Wisdom of the Kings」

氷の戦士は見つけた3つの鍵でエメラルドソードの在処に通じる門を開けたはいいものの、そこで出くわした悪魔に呪われてしまった。

幸いにして魔法使いアレシウスが悪魔を倒すも、戦士とは離ればなれに。

......えー、私の英語力では何が「王様の知恵」なのかよく分かりませんでした^^;

クラシカルなフレーズのギターソロが聞き所。イントロのブラス音が生音でない(ブラス生音化は6thアルバムまで待つこととなる)のが玉に瑕。

 

4:「Heroes of the Lost Valley」

「失われし谷の英雄」。

初めはインストである。敵の呪いが解けた戦士は「滝の世界へ入る」のだ。

ところが、気がついたときには荒野にいた。そこで彼は、死んで行った英雄達の苦しみの声を聞く。彼らの魂は生き続けている。「龍の誇り」は彼を乗せてゆく......。

という感じのナレーションが入る。力強く静かな曲の後は......とても壮大な曲を流すのだ!

 

5「Eternal Glory」

氷の戦士は過去の英雄たちに向かって、決意を新たにする。

王のためにも「永久の栄光」を勝ち取る...!!

これがまた濃厚な曲なのだ。シンセサイザーによりホーンセクションに始まり、実に7分も力強く歌い、演奏するのである。

これぞRhapsodyの本気でろう。

ちなみに、この曲の原型がインディーズ時代のデモテープに収録されており、この曲はそれをアレンジしたものとなっている。

 

6「Beyond the Gates of Infinity」

「無限の扉を越えて」。

おお、Beyond。Yngwieが「Far Beyond the Sun」を発表して以来、

クラシカルなメタルを好む人たちにとって特別な意味を持つ単語となった感がある「Beyond」。

Rhapsodyもまたその「Beyond」に魅了、もとい、Enchantedということか。

......それはともかく。

氷の戦士はここで地下の聖堂に着くのだが、ここで死体が起き上がり、戦士に襲いかかるのだ!

ゾンビ共(ちなみにルカ・トゥリッリはゾンビ物の映画も好むらしい)は戦士にこう言うのだ。

「お前の舌は引き裂かれ、はらわたは俺たちの食い物となる。突き刺さったお前の体は糞にまみれるだろう。」

「愚かな戦士よ、我が言葉を聞くが良い。お前は非難され、すべてを私たちと共になるのだ!」

詞だけでなく曲の展開もプログレッシブで劇的である。上の言葉をディミニッシュスケールで歌うんだもの。

 

7「Wings of Distiny」

もちろん主人公がここでゾンビになってしまうわけではない。

あわやのところで、前作の後氷の戦士が第二の鍵を奪うべく対峙した老ドラゴン「タロス」に助けられ、戦士はドラゴンの背に乗るのだ。

愛する大地へ再び戻ってくることを祈りながら、「運命の翼」の上で空を飛び、遠い地平線へと飛んでゆくのだ。

というわけで、激しい曲が2つ続いた後はピアノ中心のバラード(?)である。

ゆったりとしながらも、当然これはRhapsodyのアルバム。この後に嵐が待ち構えているのだ.......

 

ちなみにブックレットによると、このタロスは第二の鍵を守るために不死身の体でいる呪いにかけられていたのだ。

しかし氷の戦士がタロスを倒した上に、とどめを刺さずにいたことによって、彼の呪いは解け、自由の身となったのだ。

 

8「The Dark Tower of Abyss」

バロック音楽的(ヴィヴァルディの影響を受けたらしい)なイントロで始まる、クラシカル要素満載のナンバー。

この当たりはバロック音楽を好み、曲のオーケストレーションを引き受けているキーボーディスト、アレッサンドロ・スタロポリ(どうでもいいがベーシストも"アレッサンドロ"であり、スタロポリは"アレックス"を芸名としている)の趣向が生きているだろう。

さて、タロスの導きにより、「深淵の暗黒塔」へ辿りついた氷の戦士。

ところがここで悪魔が襲いかかる。氷の戦士は塔の頂に降り立ち、地獄の悪魔を薙ぎ払いながら塔の中へ入る。

そこで彼が見たものとは—

 

8「Riding the Winds of Eternity」

氷の戦士は塔の中で、エメラルドソードを見つけ出した。

とうとう最強の剣を手に入れたのである。

この剣で悪魔を倒した彼は、タロスと共に飛び立つのだった。

「永遠の気流に乗って」、戦士は闘い続けるのだ。

というわけで、久しぶりのパワー・メタル調ナンバー。クラシカルな曲で胃もたれを起こしたメタラーはお待たせ!

ちなみにこの曲もインディーズ時代のデモテープに"Holy Wind"というタイトルで収録されていたものをアレンジしたものだ。

 

9「Symphony of Enchanted Lands」

アルバムの最後を締めくくるタイトルナンバーは怒濤の13分オーバー。どこのプログレだ。

先ほどの戦いで瀕死となったタロスは、戦士に永遠の別れを告げ、飛び去る。

戦士はすべてのものに感謝をし、エメラルドソードを我がものとした。

彼の名は国中に知れ渡り、戦士はしばらく多くの人々から感謝されるのだった。

そして、戦士は再び旅に出る。

「行け、最強の戦士よ!魔法の国々の王は汝の勝利を待っている。知恵の翼に乗り、宇宙の正義の下に混沌の主を打ち負かすため、谷を越えてゆけ!」

 

というわけで、次回に続く。

エメラルド・ソードを手に入れた氷の戦士は、この後どのような所へ行き、どのような敵を倒してゆくのか!?

姫は救われるのか?そして、突如現れた"暗黒王の息子"の存在とは......!?

次回「Dawn of Victory」お楽しみに!

 

Symphony of Enchanted Lands

Symphony of Enchanted Lands

 

というわけで、作品世界の内容にまで踏み込んだレビューはいかがだっただろうか。

いかんせん資料不足(ブックレットやインタビューが手元に無い)ゆえに説明不足の箇所もあると思うので、

「ここはこういう事ですよ」などといった指摘があれば、私に連絡して欲しい。

また、Rhapsodyの世界に興味のある人は是非とも購入するなり、CDをレンタルしてみるといいだろう。

もちろん英語で書かれているので、読むのが大変だとは思うが。

 

このブログが最終的に「Rhapsodyを知りたければここを読め!」的なものとなることを祈りつつ、今回はここで筆を置く。